産休・育休中は給与が出ない期間が続きます。そんなとき助かるのが「社会保険料の免除制度」。健康保険料・厚生年金保険料がまるごとゼロになる期間があると知っていましたか?
社労士試験合格者として、制度のしくみをわかりやすく解説します。※本記事の情報は2026年4月現在のものです。

たれめぱんだ
私も第一子・第二子ともに育休を取得しました!この免除があったおかげで、育休中の家計がずいぶん楽になりましたよ😊
産前産後・育休中の社会保険料免除とは
産前産後休業(産休)および育児休業(育休)の期間中は、本人負担分・会社負担分ともに健康保険料と厚生年金保険料が免除されます。
- 免除される保険料:健康保険料・厚生年金保険料(雇用保険料は対象外)
- 本人負担分・会社負担分の両方が免除
- 免除期間も年金の加入期間としてカウントされる(将来の年金に影響しない)
・健康保険法 第159条(産前産後休業中の保険料免除)
・健康保険法 第159条の3(育児休業等中の保険料免除)
・厚生年金保険法 第81条の2(産前産後休業中の保険料免除)
・厚生年金保険法 第81条の2の2(育児休業等中の保険料免除)
①産前産後休業中の免除
免除される期間
| 区分 | 開始 | 終了 |
|---|---|---|
| 単胎妊娠 | 出産予定日の42日前(6週間前) | 出産後56日(8週間後)まで |
| 多胎妊娠(双子など) | 出産予定日の98日前(14週間前) | 出産後56日(8週間後)まで |
免除の開始・終了は「月の途中」でも、その月の保険料は全額免除されます(月単位で免除)。
【計算例】産休中の免除額はどのくらい?
月収30万円(標準報酬月額30万円)の場合の試算です。
| 保険の種類 | 保険料率(本人分) | 月額保険料(本人分) | 免除額 |
|---|---|---|---|
| 健康保険料(協会けんぽ・東京) | 5.00% | 15,000円 | 15,000円 |
| 厚生年金保険料 | 9.15% | 27,450円 | 27,450円 |
| 合計 | — | 42,450円 | 42,450円/月 |
さらに会社負担分(同額)も免除されるため、産休期間が約3ヶ月(産前6週+産後8週)なら本人分だけで約12〜13万円の免除になります。

たれめぱんだ
産休は2〜3ヶ月ですが、それでも10万円以上の免除は大きいですよね!育休と合わせると本当に助かります😊
②育児休業中の免除
2022年10月の重要改正
育児休業中の社会保険料免除については、2022年(令和4年)10月1日施行で大きく改正されました。
月末日に育児休業中であれば、その月の保険料が免除。月末をまたがない短期育休は対象外でした。
以下のいずれかに該当する月は免除:
① 月末日に育児休業中である
② その月に14日以上育児休業を取得している
→ 月末をまたがない短期育休でも14日以上あれば免除対象になりました。
また賞与(ボーナス)の保険料は、育休期間が1ヶ月を超える場合のみ免除に変更(改正前は1日でも育休中なら免除)。
【計算例】育休1年間の免除額シミュレーション
月収28万円(標準報酬月額28万円)、育休期間1年間(12ヶ月)の場合の試算:
| 種別 | 月額免除額(本人分) | 年間(12ヶ月) |
|---|---|---|
| 健康保険料 | 14,000円 | 168,000円 |
| 厚生年金保険料 | 25,620円 | 307,440円 |
| 合計(本人分) | 39,620円 | 約47.5万円 |
会社負担分も同額免除されます。夫婦ともに育休を取ればさらに大きな恩恵があります。

たれめぱんだ
わが家は夫が3ヶ月育休を取りましたが、夫側の保険料免除もありました!共働き家庭こそ育休取得を検討してほしいです
手続きの流れ
基本的に会社(事業主)が年金事務所または健康保険組合に申請します。従業員自身が行う手続きではありません。
- 会社の人事・総務担当者に産休・育休の開始日を連絡する
- 会社が「産前産後休業取得者申出書」または「育児休業等取得者申出書」を提出する
- 年金事務所・健康保険組合が受理 → 免除開始
- 復職後、会社が終了届を提出する
よくある質問
A. 最大2年前まで遡及申請が可能です(時効:2年)。手続き漏れに気づいたら、会社経由で年金事務所に申出してもらいましょう。
A. 例えば10月10日〜10月24日(15日間)の育休取得なら、月末日に育休中ではありませんが14日以上取得のため10月分は免除されます。一方、10月10日〜10月20日(11日間)の場合は14日未満かつ月末もまたがないため免除対象外です。
A. 社会保険(健康保険・厚生年金)に加入しているパート・アルバイトの方は育休中の免除対象です。社会保険未加入(週所定労働時間が短いなど)の場合は対象外となります。
まとめ
・産休中(産前42日〜産後56日)と育休中は健康保険料・厚生年金保険料が全額免除
・本人負担分・会社負担分ともに免除(免除期間も年金加入期間にカウント)
・2022年10月改正:月内14日以上の育休でも月の保険料が免除に
・手続きは会社が行う。不安なら確認を!
・育休1年で本人分だけで年間40〜50万円程度の免除になることも
本記事は社労士試験合格者が試験学習・自身の実体験をもとに執筆しています。現在開業準備中のため、個別の労務相談には対応しておりません。制度の詳細や個別ケースへの適用については、お近くの社労士事務所・年金事務所・ハローワーク・健康保険組合にご相談ください。
※本記事の情報は2026年4月現在のものです。制度改正により変更になる場合があります。
