育休から復職するとき、「給与はどう変わるの?」「保険料が急に上がらない?」と不安な方も多いはず。私もそうでした。
社労士試験合格者として、復職後の社会保険・給与・家計の変化をわかりやすく解説します。※本記事の情報は2026年4月現在のものです。

たれめぱんだ
2回の育休から復職した経験をもとに書いています。知っておくだけで「あれ、なんで給与が減ってるの?」という驚きが減りますよ!
育休明け復職後に何が変わる?
育休が終わって復職すると、家計・給与・社会保険などに様々な変化が起きます。大きく分けると4つです。
- ①社会保険料が再び給与から引かれ始める
- ②育休給付金がなくなり、給与収入に戻る
- ③時短勤務の場合は給与が減額され、社会保険料も見直しになる可能性がある
- ④住民税が復職直後はほぼゼロ、翌年から復職後の給与に応じて課税される
①社会保険料の再開と「随時改定」
復職直後の保険料は育休前のまま
育休明けに復職した直後は、育休前の標準報酬月額に基づいた社会保険料が引き続き適用されます。時短復職で給与が下がっても、すぐには保険料は変わりません。
時短勤務で給与が下がったときの随時改定(月額変更届)
復職後に時短勤務などで給与が大幅に下がった場合、随時改定(月額変更届)によって標準報酬月額が見直され、保険料が下がる場合があります。
| 随時改定の要件 | 内容 |
|---|---|
| ①固定賃金の変動 | 基本給・固定残業代などが変わった月から |
| ②継続3ヶ月の平均 | 変動月から3ヶ月間の平均月収で算出 |
| ③2等級以上の差 | 変動前の等級と2等級以上の差があること |
3つの条件をすべて満たすと翌月から標準報酬月額が改定されます。
【計算例】時短で月収が30万→20万円に下がった場合
| 時期 | 月収 | 標準報酬月額 | 月額保険料(本人・概算) |
|---|---|---|---|
| 育休前 | 300,000円 | 300,000円 | 約42,000円 |
| 復職直後(3ヶ月間) | 200,000円 | 300,000円(まだ旧等級) | 約42,000円(変わらず) |
| 随時改定後 | 200,000円 | 200,000円(新等級) | 約28,000円 |

たれめぱんだ
復職後3ヶ月は保険料が高いままで手取りが少なく感じるかも。でも随時改定で必ず保険料は見直されますよ!
②育休終了時改定(特例)
育休終了翌月から3ヶ月間の平均月収が変動し2等級以上差がある場合、育休終了時改定として4ヶ月目から標準報酬月額が改定されます。これは通常の随時改定より早く反映されます。
・健康保険法 第43条の2(育児休業等終了時改定)
・厚生年金保険法 第23条の2(育児休業等終了時改定)
→ 育休終了翌月から3ヶ月の実績月収が基準
③養育特例:将来の年金を守る制度
時短勤務で給与が下がると、将来の厚生年金も下がってしまいます。それを防ぐのが養育特例(厚生年金保険の養育期間標準報酬月額特例)です。
| 制度名 | 概要 |
|---|---|
| 養育特例 | 3歳未満の子を養育中に標準報酬月額が下がった場合、下がる前の標準報酬月額をもとに年金額を計算する特例 |
申請は会社経由で年金事務所に行います。申請がないと適用されないため、復職後すぐに会社の人事に確認しましょう。
④住民税の注意点:復職直後はゼロ、翌年から給与に応じて課税
住民税は「前年の所得」に対して翌年課税されるしくみです。育休期間中の育休給付金は非課税のため、育休中の年の「所得」はゼロ(または非常に少額)として扱われます。
そのため、復職後の住民税は次のような流れになります。
| タイミング | 前年の状況 | 住民税の金額 |
|---|---|---|
| 育休中 | 給与ゼロ(育休給付金は非課税) | 翌年の住民税 → ほぼ0円 |
| 復職直後(復職した年) | 前年=育休中 → 所得ゼロ | 住民税0円(またはごく少額) |
| 復職後2年目以降 | 前年=復職した年の給与 | 復職後の給与に応じた住民税が課税される |

たれめぱんだ
私も復職直後は住民税が0円でびっくりしました!でも翌年からしっかり課税されるので、「今年が楽だからって使いすぎないように」と自分に言い聞かせていました(笑)
なお、育休中に住民税が0円にならないケースもあります。たとえば育休が年の途中からで、その年の給与期間が長い場合は、前年比で住民税が残ることもあります。あくまでご自身の育休期間・取得年によって異なります。
よくある質問
A. 復職直後は育休前の標準報酬月額が継続されます。その後、随時改定または育休終了時改定により標準報酬月額が見直され、保険料も変更されます。3〜4ヶ月程度で反映されることが多いです。
A. 養育特例は申請の翌月から適用されます(遡及はできません)。気づいたらできるだけ早く申請しましょう。3歳未満の子がいる間であれば申請可能です。
A. 再び産前産後休業中・育児休業中は社会保険料が免除されます。短期間の復職後でも要件を満たせば免除対象です。事前に会社の担当部署に確認しておくと安心です。
まとめ
・復職直後は育休前の標準報酬月額が継続 → 時短でも保険料はすぐ下がらない
・随時改定(月額変更届):時短で2等級以上下がれば3ヶ月後に改定
・養育特例:3歳未満の子を養育中の時短社員は申請必須(将来の年金を守る)
・住民税:復職直後は前年(育休中)の所得がゼロのためほぼ0円。翌年から復職後の給与に応じた住民税が課税される
・養育特例は申請式なので会社の人事に早めに確認を!
本記事は社労士試験合格者が試験学習・自身の実体験をもとに執筆しています。現在開業準備中のため、個別の労務相談には対応しておりません。制度の詳細や個別ケースへの適用については、お近くの社労士事務所・年金事務所・ハローワーク・健康保険組合にご相談ください。
※本記事の情報は2026年4月現在のものです。制度改正により変更になる場合があります。
